寂しいうさぎのひとりごと

○○のひとりごとシリーズ更新中

カラーコーンのひとりごと

 

こんにちは、カラーコーンです。

 

カラーコーンと聞くとあなたはどんな場面を思い浮かべますか?

 

学校のグラウンド、工事現場、駐車場などなど様々な場所で私の仲間達は活躍しています。今日お話しするのはとある会社の駐車場で傘立てとして働く私の物語です。

 

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私がこの会社にきたのは今から7年前の夏のことです。

それまで私は水道会社の工事用カラーコーンとして働いていたのですが、現在勤めている会社の水道工事の際に置き忘れられていったことが原因で急遽転勤が決まったのです。

 

はじめは新しい環境に慣れずストレスで色が剥げたりすることもありました。しかし時間と共にこの環境にも慣れ、7年間車の後ろを壁から守り抜くという重大任務をやり遂げたことは今でも私の誇りです。

 

ですが、カラーコーンの私にとって7年間は決して短い時間ではありません。今の私にかつての輝きは残っておらず頭の部分が割れ、色は何色かもわからないほど剥げてしまっています。

 

少しの衝撃でも砕けてしまいそうでいつリストラされるかと不安な私に追い討ちをかけるように新しいカラーコーンがやってきました。

あの時は流石にもう引退しかないと覚悟を決めました。

 

ところがある日突然、誰かが私のちょっと割れていた頭の先に傘を突き立てたのです。
その瞬間から私は「傘タテ」として新たな人生を歩み始めました。

 

こんな老いぼれでも誰かの役に立てていると思うと日常に明るさが戻ってきました。

昔から劣化を早める雨は大っ嫌いでしたが、今では雨が降るのが楽しみで仕方ありません。

 

いつまで傘立てとしてお役に立てるかは分かりませんが、最後まで誰かの役に立てる人生で本当に幸せでした〜。